Lv80 私を忘れないで…

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【商人】ファーラ

ホッホッホ…よく来たね。
DNクエスト…本の文字が現れての、ちょうどお前さんに伝えようと思っていたところじゃったんじゃよ。

本当ですか!?

安くしとくが?
(ファーラが妙な笑みを浮かべる)

本を持ってきたのは私じゃないですか~。

ホッホッホ…。
それはそれ、これはこれじゃ。

くっ…

ホッホッホ、なんてこたぁない。
彷徨う過去の迷道で盗掘者の袋を持ってきてくれんかのう?
最近、物騒な輩が多くてのぅ。

わ…分かりました。

ホッホッホ。
彷徨う過去の迷道じゃよ、ホッホッホ!
(ファーラが愉快そうに笑っている)
盗掘者の袋を持ってきておくれ、ホッホッホ。

私を忘れないで…Ⅰ


ファーラから彷徨う過去の迷道に行き、盗掘者の袋を集めてほしいと頼まれた。盗掘者の袋を集めよう。


私を忘れないで…Ⅱ


盗掘者の袋を全て集めた。【商人】ファーラに報告しよう。

【商人】ファーラ

ホッホッホ、本当に持ってきたのかい?
どれどれ、ひぃふぅみぃ…なかなかやるじゃないか、ホッホッホ。
(ファーラは盗掘者の袋を満面の笑みで仕舞いこんだ)

約束通り、話を聞かせて下さい。

ホッホッホ、もちろんじゃよ。
さぁ、お読み…
(ファーラが本を取り出す。さっそく読んでみよう)



ソーサレスの記録

王女が18歳になった日。
ついに城に入ることになった。
しかし、城に入るためのドレスを持っていなかった。

周囲の助けを借りて準備したドレスはお世辞にも綺麗とはいえない物だったが、選べる状況でもなかった…
そしてそこには母の形見のブローチが…。
さして値の張る物でもなさそうだが、王女にとっては宝物だった。

もう1つの問題が…
王女には豪華な装飾品を身に付ける義務があるのだが…。
ドレスもやっとのことで準備したというのに、装飾品を買うお金がどこにあるのだろうか…?

平民たちが使う安価な装飾品を買おうとしたが、意地悪な姉たちに邪魔をされてしまう。
商人たちはただ、ため息をつくばかり…

何も持っていない…買うことさえできない…
だからといって、このまま城に行けば何と言われるか…
盛装もできない貧相な王女だと笑いものにされるに違いない…

私は…小屋の周りに咲いている花を摘み始めた。



ソーサレス ラファ
姫様。
この花があれば、ある程度は顔が立つはずです。
喜ばしい日には花を飾るものです。



【王女】エリザベス

でも、それにふさわしい大きくて華やかな花はこの辺りにはありませんわ。



ソーサレス ラファ

小さい花も綺麗ですよ。
それに装飾品なんてただの飾り…その人の本質ではありません。
さぁ、好きな花をお選びください。
姫様のドレスを飾りましょう。



【王女】エリザベス

この青いハーブ…



ソーサレス ラファ

これはワスレナグサですね。
髪飾りにしたら、さぞ綺麗なことでしょう。



【王女】エリザベス

…これで、本当に大丈夫かしら…?



ソーサレス ラファ

もちろんですわ。
王も花がお好きなお優しい方だと聞きます。
どうぞ、ご心配なさらずに…



【王女】エリザベス

…そうだと良いのですが…



ソーサレスの記録

結果は散々だった…なんて嫉妬深い姉なのだろう…
時間通りに到着できないようあの仕打ち…
やっとのことで到着したエリザベス様に注がれたのは蔑むような冷ややかな目…

姫様は嘲笑の的に…。
下賤な血統…礼儀を知らぬ者…。
果てはビショップでさえも、女神の慈悲はどこへやら…嘲りはとどまるところを知らなかった…



ビショップ

女神に対する冒涜が過ぎるのではないですかな?
遅れて来たばかりか、そのようなお召し物では…。
もとより王女には永遠不滅の宝石から名をとった異名を下賜するところですが、今のあなたにはその資格がないようだ。

お召し物の雑草があなたの品格を表しておりますな。
エリザベス姫、あなたにふさわしい異名を授けましょう。

ワスレナグサの姫」、まさにお似合いだとは思いませぬか?



ソーサレスの記録

なんて残酷なことを…あの場にいた全員があざ笑った…
身体を震わせながらホールを飛び出したエリザベス様…私は驚きのあまり声を失った…
家に着いてからもエリザベス様は泣き続けた…



【王女】エリザベス

あぁ、あんまりだわ…雑草の異名を持つ姫なんて…
これからの運命を象徴するともいわれているのに…。
どうせ私はすぐ枯れて捨てられる花なのよ…



ソーサレス ラファ

エリザベス様、それは全て迷信です。
これまで宝石の異名を受けた王女が長生きしたことはありません。
それはただの飾り、姫様自身のことではありません。



【王女】エリザベス

あなたがこんな花をつけたからじゃない!
私はこんなこと頼んでないわ!
こんな異名…父の顔すら見れなかったわ…!



ソーサレス ラファ

…エリザベス様。



【王女】エリザベス

ち、違うの…あなたのせいでは…ごめんなさい…ラファ…。
そういうつもりじゃなかったの…
…今日こそは娘として認められるかと思ってたから…



ソーサレス ラファ

エリザベス様、私は大丈夫です…。
苦しんでいるあなたに私は何もできないのですから…
ただ…この一件で立ち直れないのではと、それだけが心配です。



【王女】エリザベス

ラファ…あなたも見たでしょう?
私は城の誰にも愛されてないわ…。
そうだ、私を弟子にしてくれない?
王女なんて辞めて、ソーサレスになるわ。
そうすれば、贅沢品がなくても軽蔑されないでしょう?



ソーサレス ラファ

姫様、たとえソーサレスになったとしても、王都の支配を受けるのは変わりません。
それに王族の…エリザベス様の血統は消えることはありません。



【王女】エリザベス

私は…どうしたらいいの…?



ソーサレス ラファ

ソーサレスが100人集まっても、この国の民を幸せにはできません。
ですが、エリザベス様は1人でも幸せにすることができるのです。
国を治めることが王族の務めなのです…



【王女】エリザベス

私にそんなこと…



ソーサレス ラファ

いいえ、エリザベス様が諦めない限り夢は必ず叶います。
チャンスは求める人に訪れるのですから…



【王女】エリザベス




ソーサレス ラファ

いつの日か…
地位や身分ではなく、エリザベス様自身を見てくれる方が現れることでしょう。



【王女】エリザベス

本当に…?



ソーサレス ラファ

いつか出会うその方に恥ずかしくないように生きるのです…
奢り高ぶらず謙虚に対すれば、自然と周りに人が集まることでしょう。



【王女】エリザベス

……
……!
……!!
それよ…!



ソーサレス ラファ

エリザベス様??



【王女】エリザベス

ラファ…私、今日からこの名前を隠さないわ。
この花も付けておく。
そして真の男性に出会うの。
その人をこの国の王にするのよ。
ということは、私は王妃様ってことになるわね!

そしたら私みたいな子も生まれることもないし…権力があれば、お姉さまたちの好きにはさせないわ。
思いっきり嘲笑ってやるんだから!



ソーサレス ラファ

……少し話の方向性はズレましたけど、元気は出てきたようで良かったですわ…
そう願っていらっしゃるなら、その通りになるはずですわ。
努力はエリザベス様の特技ですからね。



【王女】エリザベス

せっかくなら皆が振り返るようなイケメンが良いわ!
強くて、優しくて、料理も上手で、ガタイも良くて!
どちらかというと、ソーサラーよりウォーリアーかなぁ…



ソーサレス ラファ

(エリザベス様…元気になったのは良いけど…)



ソーサレスの記録

幸いにもエリザベス様は元気を取り戻された…その後は勉学に勤しみ、民との関係のために尽力された…。
魔法も精進し、多くのソーサレスが認めるところとなった…。
それが私のやりがいになっていることは言うまでもない

ただ…1つ問題が…。
実は、あの後…無礼極まりないビショップのことが許せなくて…。
懲らしめてやろうと密かに接近したクレリックに恋してしまった…

エリザベス様も無事嫁がれた。
まさかあのフェザーと一緒になるとは…。
私はというと、クレリックとの関係が暴露され、国を追われることになってしまった…

エリザベス様が探されてるという話を噂で聞いたが…私はあの方のように強くはない…。
ソーサレスの怒りも、クレリックの怒りも、ただただ怖くて…戻る勇気など出なかった…

自分に今できること…それはエリザベス様の記録を残すこと…。
最近、姫様が運良く玉の輿に乗って勢力を築いていると触れ回る輩がいるらしい…。
どんな苦しみを乗り越えてきたかも知らないくせに…

そんな中、本当にフェザーが王になったという知らせが入った。
あぁ、この地もあの国のものになってしまった…今度はどこに身を隠そう…。
荷物を整理していたある日…

ワスレナグサの家」…。

エリザベス様が昔住んでいた小屋を埋め尽くさんばかりにワスレナグサを咲かせているという噂を耳にした…
揺れ動く青い花は遠くからもよく見えるという…
愚かな私は…ひと目見たくなった。

エリザベス様との思い出の場所…ひと目でいいから見たい…!
私は夜になるのを待ち、人目を忍んでこっそり…。
あそこなら目を瞑っても行けるから…

…月光を帯びたワスレナグサは、とても青くてキレイで…
あまりに美しい蒼色に見惚れた私は…思わず家の中に入ってしまった…

そう、そこにはエリザベス様の姿もあった。
美しい金髪に蒼い光がとても映えて…あまりにも眩しかった。
姫様も私を見た…。

その目は私への恨みをたたえているようで、苦しかった…
それでも懐かしさのあまり姫様から目を離せない私…姫様が先に沈黙を破った…
透き通った声もあの時と同じ…熱くなる目頭を抑えるのに必死だった。



【王女】エリザベス

私がここまでこれたのは全てあなたのおかげ…本当にありがとう。
本当にありがとう…



ソーサレスの記録

…我に返るとワスレナグサを腕いっぱい抱えていた。
ボーっとしている私を見て、夫は魔物に惑わされたのではないかと心配したそうだ…
本当にエリザベス様に会ったのだろうか…あまり覚えてない…
でも、彼女の声は今もはっきり耳に残っている…

エリザベス様は私を覚えていてくれた…。
私も生涯忘れることはない…いつまでも…。
そして、この命あるかぎり記し続けるだろう…

愛する王女、エリザベス様…
どうか今は安らかに…



【商人】ファーラ

(ファーラは眉をしかめている)
この本は間違いなく本物じゃよ…
ただ、ラファが見たのは本当にエリザベスだったのか…
それは今も分からないんじゃ…

どうしてですか?

あの家をワスレナグサでいっぱいにした頃、エリザベスは健康を害していたはず…
彼女がひとりであの家に行く体力は無かったはずじゃ…

そんな…

ホッホッホ…幽霊じゃったのかもしれんな?
月夜の晩にワスレナグサの花束…ゾクゾクするじゃろ?

ホッホッホ…それが何であれ、気持ちが伝わったならそれで良し…
ラファも幸せに暮らしたそうじゃよ…。
(ファーラがホッホッホと笑っている。幸せそうな笑顔だ)

関連クエスト




  • 最終更新:2015-01-25 22:15:56

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